この記事は3部作の最終編なので先に前編と後編からご覧ください!
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Seventh Step: 王の帰還
あの”I’m coming home”(わたしは故郷へ帰る)を発表してから数か月後レブロンは地元クリーブランドに帰還してキャバリアーズの一員として開幕戦を迎えました
2010年にキャブズを離れてから実に4年ぶりの帰還でキャバリアーズの本拠地「クイッケンローンズアリーナ」は超満員、クリーブランド市民全員が待ち望んだ瞬間でした
ここで2014年のオープニングセレモニーと2011年にレブロンがヒートメンバーとして初めて古巣へ帰還した時を見比べてみましょう
熱狂的なファンほど怖いものはない(ヒ~汗)
もちろん上が2014年で下が2011年です。2011年の試合はレブロンがボールを持つたびに大ブーイングが上がりました
こうして始まったキャバリアーズの新たな門出、しかし現実はそれほど甘いものではありませんでした
キャブズはレブロン移籍以降負けに負けまくっていてリーグ最底辺のドアマットチーム(玄関に敷かれているマット、誰にでも踏んづけられるという意味)でありチーム全体として勝ち癖がついていない状態でした
レブロン移籍以降エースを張っていたカイリ―アービングは素晴らしい才能を持った若手でしたが怪我が多く、ボールを持ちすぎてチームの成績と自身の活躍がかいりーしている、乖離していると批判を浴びる存在でもありました
また、このシーズンからチームへと加わった白人イケメンフォワードのケビンラブも非常に優秀な選手でしたが彼自身も別のドアマットチームのエースだったこともあり、チームは好不調の波が非常に激しかったのです
とはいうものの3人のスター選手を擁したキャバリアーズは前年度前年度4割だった勝率がレブロンが加わったことにより何と6割を超えました。その上勝ち星を前年比で
20勝も積み上げました
まさにスターパワーといったところでしょうか
ところがNBAの尽きない魅力の1つが先の展開が読めないところでもあります
こちらが2015年NBAプレイオフの対戦表になります
なんとキャブズは+20勝もしたにもかかわらずRS(レギュラーシーズン)は2位通過、1位のアトランタホークスは勝率7割を超えていました
しかもこのときのホークスというチームにはスーパースターと呼ばれる選手は在籍しておらず徹底的なチーム力で勝ち上がるというスタイルで非常に隙が無いチームでした
更にハプニングが1回戦のボストンセルティクス戦で起きてしまいます
なんとNBAの試合にも関わらず何と急にWWE(アメリカのプロレス団体)が試合中に始まってしまったのです
でしょ?(笑)
それでは決定的瞬間をご覧に入れましょう
これは確信犯(笑)、もちろん証拠は一切ありませんので決して故意だと断定できるものではありません。
しかしこのプレーでわたしの中ではケリーオリニク(セルティクス側の選手)のあだ名「カリメロ」になりました(笑)
ちなみに分からない方は「スラムダンク、カリメロ」で検索すると画像が出てきます
しかしこのプレーによりキャバリアーズが払った代償は大きすぎました
セルティクスを4勝0敗で圧倒したキャブズでしたがチームの主力の一角ケビンラブが怪我によりプレイオフを完全離脱となってしまいました
セカンドラウンドはシカゴ・ブルズが相手となりました。ブルズはあのマイケルジョーダンがかつて所属しており、彼の在籍中に6度の優勝を経験した古豪でしたが2015年シーズンではいまいちの成績でした
しかしこのチームにレブロン率いるキャブズは予想外に苦戦を強いられます
何と3戦目の時点で1勝2敗とリードされるという失態、ラブの抜けた穴は予想外に大きいものでした
そして運命の第4戦、キャブズとしては何とかタイに戻してホームに戻りたいところです
しかし試合展開は残り1.5秒で1点差で負けていてキャブズボール、相手はもちろんレブロン含め徹底マーク、絶体絶命のピンチです
ところがそこで終わらないのがレブロン・ジェームズという男です
マーク選手のジミーバトラーをいったん押し込んでから瞬時にボールを受け取りそのままフェイダウェイ(後ろに飛びながら打つシュート)を放ち、クラッチシュートをモノにしました!
この1本で勢いづいたキャブズはそのままホームに帰っての5,6戦を勝利して4勝2敗でブルズを退けてカンファレンスファイナル(準決勝)へと進出します
次に待ち受けていたのはRSでキャブズよりも高い勝率を上げているホークスが相手でした
しかしここでキャブズにとって幸運だったことはホークスがRSとはうってかわってプレイオフで調子が上がらず全くチームオフェンスが成功しないという負のスパイラルへ陥っていたことでした
こういったプレイオフでのハードな試合ではどうしてもスターの力による一点突破が必要な場面がしばしば登場します
さらに主力が1人欠けたことでレブロンの気合も今まで以上に高まり、少なくとも数字上は格上の相手を4勝0敗でスイープ(1度も負けずに相手を蹴散らすこと)することに成功します
新たなる因縁 最強の敵ウォーリアーズ
2011年から5年連続でファイナルへと出場しているレブロン、今回の相手は超新星たちでした
カリフォルニア州オークランドに本拠地を構えるゴールデンステートウォーリアーズがキャブズの前へ立ちはだかります
ウォーリアーズのチーム戦術はキャブズのスター偏重のチームバランスとは正反対でチーム全員でパスを回し、スクリーンを多用することで徹底してフリーを作りイージーバスケットを重ねるスタイルです
しかしそれだけではなくリーグ最高のシューターコンビ、人呼んで「スプラッシュブラザーズ」が攻撃の軸となっての展開も出来ます(*エロい意味はないです)
スプラッシュとはシュートがバスケのゴールをくぐった時にネットが揺れる様子が水しぶき=スプラッシュにそっくりだと言うところかきています
そしてその2人こそが「ステファン・カリー」と「クレイ・トンプソン」なのです
リーグ最高のシューター:ステファンカリー
カリーは2009年にドラフトされてからそれほど注目された選手ではありせんでした。ところが徐々に力を着けて自身の所属するウォーリアーズを強豪の仲間入りさせながら自分の実力も確実に伸ばしてきました
カリーの能力の最大の特徴は何といってもフロアのどこからでも決められるスリーポイントシュートの能力です
これは口で言っても理解できないと思いますので取りあえず動画をどうぞ
カリーはこのシーズン286本のスリーを80試合で決めました。単純計算で1試合3から4本決めていることになります。カリーはこのシーズン平均24点ほどなのでおよそ半分がスリーによる得点ということになります
さらに何といってもルックスの良さに触れずにはいられません
この色気、半端ないですね。明らかにバスケ選手じゃなくてモデルのそれです。カリー自身も身長が190センチ程度と一般人レベルで高い範囲で収まるので引退したら引く手あまたかもしれませんね
リーグ2位のシューター:クレイ・トンプソン
クレイは2011年にリーグに入って来てやはりそこから徐々に力を着けていきました
カリーとは違い身長は2メートルを超えていて非常に綺麗なシュートフォームを持ったザ・シューターといったイメージですがそれ以上にディフェンスが非常にうまい選手でサポート選手にはピッタリの人材です
事実ウォーリアーズはクレイがカリーの相棒になってからどんどんチーム成績が向上していき2015年シーズンに終にファイナルまで到達しました
なるほど・・・・まさに大仏(ブッダ)そのものですね(笑)
しかし彼の能力はまさに鬼神の如き。どのタイミングでゾーン(最高潮)に入るか分からないところが彼の魅力であり脅威の源です
よく仏(クレイ)の顔も3Qまでとネタにされています(笑)
2015年の失望
2015年ファイナル第1戦はウォーリアーズの本拠地であるオラクルアリーナで行われました
ウォーリアーズはこのシーズンNBA全体で#1の勝率を上げたチームであり圧倒的な力でウェスタンカンファレンスを勝ち上がっていました
しかしキャバリアーズはこのウォーリアーズ相手に奮戦します。ゲーム1は一進一退の攻防戦を繰り広げて終了間際にカイリ―アービングの素晴らしいブロックで何とか延長まで持ち込ます
ところが延長戦、アービングが元々悪化していた膝に最悪のタイミングで最悪の怪我を負いそのままシリーズアウト。ゲームは1は破れます
続くゲーム2、レブロンはファイナル史上最高のプレーを見せてラブ、アービングを欠く状況下で見事勝利を収めました
レブロンの雄たけびと共に勝利を引っさげて今度はホームであるクリーブランドに帰還します
そこでレブロンは再びモンスターパフォーマンスで何とかゲーム3を勝ち抜いて2勝1敗で何とかリードを保ちます。何気にこの勝利がクリーブランドキャバリアーズのファイナル史上初勝利となりましたが、これがシリーズ最後の勝利ともなりました
そこからレブロンのガス欠と共に3連敗を喫したキャバリアーズは2勝4敗で悔し涙を飲みました
Eighth Step: 王の涙と初優勝
前年度ファイナルをたった1人で戦い抜いたレブロンの個人としての名声は最高クラスに高まりました
しかしレブロンにとってはどうしても優勝をクリーブランドにもたらすという悲願を達成するという強い意志がありました
そんなレブロンの意思とは裏腹にキャブズの調子はいまいちだったと同時に、宿敵であるウォーリアーズの調子は絶好調でした
RSを28連勝しただけでなくカリーはRSで前代未聞の402本の3ポイントを沈めます。これは単純計算で一試合5本以上のスリーを決めていることになり、更に高いシュート成功率も維持し続けました
ウォーリアーズ自身はRSで何と73勝9敗という勝率89%を達成します
その一方でキャブズはシーズン途中でヘッドコーチを解任したりなど非常に厄介なもめ事を抱えてプレイオフへと突入しました
これが2016年のプレイオフの対戦表です
しかしプレイオフに入ると異常なまでの力強さを見せつけてファイナルまで一直線、今回はラブ、アービングともどちらも欠けてはいませんでした。しかし相手はウォーリアーズその上RS史上最強勝率をあげています
リベンジを誓って臨んだ第1戦、ウォーリアーズの強さの真価がこれでもかというほど発揮されキャブズは25点差で敗れます。更に第2戦は33点差の大敗となりました
この時点で心が折れかかったキャブズファンが多いのではないでしょうか
そこからクリーブランドに戻りゲーム3、何とか1勝することで望みをつなぎますが依然1勝2敗で圧倒的に不利でした
その後クリーブランド引き続き行われた第4戦、キャブズとウォーリアーズは白熱した試合を演じましたここで11点差で敗れてしまいます
この試合は2チームにとってターニングポイントとなりました
まずキャバリアーズにとっては今までファイナルの歴史上1勝3敗から逆転勝利したチームは存在しないというプレッシャーを背負います
一方のウォーリアーズは主力選手でディフェンスの要だったドレイモンド・グリーンを1試合出場停止処分にされてしまいます。しかしこうなればどちらがどれほど試合にかけているかという気力勝負にもなりました
第5戦は再び敵地オラクルアリーナに戻りの1戦、ここでキャバリアーズの2大エースが大爆発します
レブロンジェームズとカイリ―アービングがそれぞれ効率的なオフェンスを展開して相互に40点以上獲得することに成功します
明らかにグリーンを失ったことによるディフェンスの弱さが出ていました。これにより敵地で1敗も出来ないプレッシャーの中見事に勝利を収めました
キャブズはこのまま再びホームに帰り圧倒的な力を維持しつつゲーム6も手中に収めて3勝3敗のタイになんとか持ち込みます
次のウォーリアーズホームでウォーリアーズが観客を味方に出来るのか、それとも勢いのキャブズが最強ウォーリアーズを破るのか、まさに注目の1戦でした
運命の第7戦、レブロンの涙
オラクルアリーナで開始された運命の1戦、序盤は圧倒的にウォーリアーズペースでした
エースカリーはあまり調子が良くありませんがその分グリーンがあり得ないほどの高確率でスリーを決めます。一方キャブズも確実な2点で何とか追いすがりますが前半折り返しで7点差でウォーリアーズがリード
この間のFG%は両チームともわずかに40%前後でした。
後半開始からカイリーの調子が上がり出し次々にタフなショットを決めていきます。一方のウォーリアーズもベンチメンバーなどの頑張りがあり終始互角の展開でゲームは進みます
ここで差が出たのはスターの力でした
キャブズはレブロンとカイリーにボールを預けて基本的に単調ながら確実に時間を消費して得点を狙うスタイルを取ります。一方のウォーリアーズは元々チームバスケットながら、エースのカリーの真価が発揮できず同点にまで追いつかれてもミスが目立ちました
しかし最高のファイナルと名高い2016年ファイナル、ただでは終わりません
その後残り5分から2分までで両チーム1得点も出来ずただ時間が過ぎていきました。しかしここでウォーリアーズに大チャンスが巡ります
キャバリアーズがシュートミスをした直後にカリーがボールをプッシュして速攻へと移ります。そこに運動能力が高いウォーリアーズのイグダラ追いつき2対1の速攻を展開します
カリーは直前で走り込んでいるイグダラにパスを出してイグダラは目の前のディフェンダーをかわしてダブルクラッチでゴールを狙いました
その時、どこからともなく表れたレブロンがそのボールを見事ブロックして叩き落したのです
その後のオフェンスでは右斜め60ほどの位置からカイリーがカリーに対して1オン1をしかけます
特にドリブルから見事なプルアップジャンパーでスリーを決めるとウォーリアーズに逆転に成功します
この瞬間のキャブズファンの歓声と言ったらアリーナ崩壊レベルでした
これはキャブズの本拠地のクイッケンローンズアリーナの外での映像ですが、パブリックビューイングでアリーナ内にはいれない観客の為に用意された特設会場の様子です。実際に試合は無いのにこれほどの大入り満員とはやはりNBAがアメリカに根付いていることを実感させられます
そして終了のブザーと同時レブロンは涙を流して勝利の瞬間をかみしめました
マイアミ時代の優勝では笑っていたレブロン、それが涙を流したとなるとどれほど感情が零れ落ちているのか、こっちまでジーンときました
最後にインタビューアに語ったレブロンのコメントでこの3部作をしめさせてもらいます
Cleveland This is for you(1分15秒ほど)
さて今回のレブロンジェームズ経歴編3部作、いかがだったでしょうか?
正直15000字くらい書いたせいでめちゃくちゃ首が痛いですがこれほどまでダイナミックで漫画の主人公的なスポーツ選手がいたでしょうか?
それに楽しかったから、もっと知ってほしいからこそこれほどかけました。なので今は大変満足しています
また今度は別の角度からレブロンの魅力に迫っていく予定ですので皆さん是非おつきあいください
それではまた~
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