【和訳】八村塁のNBAまでの特別な道のりと米国バスケの育成の問題#後編


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皆さんこんにちはMiami3です。早速和訳の後編をやっていこうと思います!

【後編】八村塁のNBAまでの特別な道のりと米国バスケの育成の問題

「AAUの移動日程は酷いものだよ」エリオットは言う。「移動だけで身体的負担は計り知れない。日本は小さな島国だからいくら試合を増やしたとしても長距離移動にはなりにくい。だがアメリカの場合国中を飛び回り、そして高いレベルの相手とやる必要がある」

日本式の八村の練習を少し見て、シェパードは個人としての成長とコーチングが何よりも優先されているものであることに気が付いた。試合そのものは二の次なのだ。それこそが八村のNBA選手としての将来を期待させる理由だ

「とても新鮮な気持ちで見てたよ」シェパードは言った。「彼ら(日本のコーチ)は子どもたちのことを第一に考えていた。AAUのやり方とは完全に違っている」

八村が子どものころからバスケの英才教育を受けていないことは欠点ではなくむしろ長所でもあると考えられている。

「それこそが財産となり、ポジティブな要素なんだ」エリオットは言う

ウィザーズは他のチームに八村が狙われることを避けるためドラフト前の公式なワークアウトは実施しなかった。シェパードがリクルートしてきたフロント陣はしっかりと仕事をこなした。八村は最高のサイズとバスケへの情熱を持ち合わせていた。奇妙な話だが八村が野球をしていたことが、シェパードのようなスカウトを惹きつけたのだ

「もし八村が普通のアメリカのバスケ選手のようなルートを歩んでいたら、望んでほしい選手とは考えられていないだろう」

シェパードは20年以上世界中でスカウトをしていて、自国の練習システムに疑問を抱いている。AAUのエリートたちは100試合以上こなしているせいで体への負担は非常に大きい。この夏のESPN(アメリカのスポーツ専門チャンネル)のドキュメンタリーでは負担が大きいアメリカのユースバスケのシステムとNBA後も続く怪我のリスクについて取り上げるようだ

AAUにおけるランクを警戒しなければいけない事例というものは膨大にある。確かにAAUシステムにより多くの選手が大学バスケやNBAへの道を切り開いていけたことは事実だ。しかしそうなるためには小さなころから恐ろしい量の練習を積まなければならないのだ

ウィザーズのトロイ・ブラウンJrは8歳からAAUでプレイしていて、14歳になるまで他のスポーツを一切せずバスケに没頭しなければならなかった。これは年が違う選手たちと複数のトーナメントで競わなければならないという意味だ

「24時間365日バスケをしていたよ」トロイ・ブラウンJrは言った。「最初はとても楽しんだけど、次から次へと勝利とトーナメントでの優勝を追い求めていくと絶対にメンタルがすり減っていくよ。まだ若いんだから休まなくても平気だ。とにかくプレイしろって感じでね」

ウィザーズのセンターであるトーマス・ブライアントはトーナメントの為に両親にお金と時間を大量にかけさせることが子どもにとってどれほどプレッシャーを与えるのかについて話している。AAUのトーナメントで最もきつかった時期には1日に4試合をこなす必要があった

試合の合間にくたびれきっていても、次の試合へ全力を尽くす必要がある。ブライアントの母親はいつもイライラしていた。なぜならいつもブライアントが疲れ切っていたからだ

「わたしはあなたを疲れ果てさせるために運転をしているように感じるわ。だから絶対に勝たなきゃいけないのよ」「ラッキーなことに勝てたけどね」ブライアントは言った

ウィザーズのHCであるスコット・ブルックスは1987年からNBAにいる。そして初めて10代でプレイした選手だった。現在コーチとして11シーズン目でカーメロ・アンソニーから八村塁まで長いスパンで多くの選手のコーチをしている

ブルックは当然AAUが台頭したことでどれほどNBAに影響を与えているかに気が付いている。多くのプレイヤーがアイソレーションばかりしてチームシステムの中で動くということが出来ていない。まるでコービーが長年やっていたようにだ

「大体のプログラムがひと夏に60試合組まれている。つまり1日で4試合をすることになる。すると2つのことが起こる。1つ目は恐ろしいほどの疲労で肉体の限界が来る。もう1つは勝敗の意義が薄れてしまうんだ」ブルックスは言った

「もし10:00~の試合に負けても次の12:30~のがある。こういった状況でバスケを続けるということが子どもたちにとっては良くないことだ」

「いい選手は良いチームで育つ。負けることで大きな学びがある。敗北に留まってはいけないがそこから学ぶことが大切だ」

これはただのNBAコーチの文句として片づけられない。彼もまた英才教育を受け、2人の子どもの父親なのだから「AAUの練習量は多すぎる。まだ成長段階の子どもたちをそれほどハードな練習量に晒すべきではない」

八村のNBAまでの道のりを考えるとエリオットはP3ジムで2年以上前に見かけたことを思い出す。エリオットはP3が主催しているブループリントキャンプにザイオンを含む将来有望な8人の高校生を集めていた。そこでは天才児たちにどのように自分の体のメンテナンスを行うべきか指導していた

実際ちょっとした身体的問題がのちのちキャリアを揺るがすものとなり得るのだ。まずエリオットは高校生たちにこう質問した

「どこかに痛みを抱えている人は手を挙げてください」そして全員が手を挙げたのだ

「AAUのエリートたちはどこかしらにみんな痛みを抱えているのだ。その事実にわたしは驚いたよ」

AAUの過酷なスケジュールがどれほど悪影響なのか分からないが、直近のドラフトクラスのトップランカーたちはけがに悩まされていた。ザイオンは55試合中45試合をひざの手術で欠場している。またグリズリーズの若手ジャ・モラントもオフシーズンにひざの手術を受けなければならなかった。20歳の若者だというのにロードマネジメントが必要なのだ

カナダの奇才RJ・バレットは北米中を11歳で飛び回り試合をしていた。そのせいか3週間も足首の怪我で休んでいる。エリオットにとってはAAUの過密スケジュールがNBA選手のキャリアに影響をもたらしていることは明白だった

「この点八村は随分恵まれている」そうエリオットは言った

ライジングスターズで見せられたザイオンとモラントのダンク合戦はリーグのエグゼクティブ層をかなり興奮させた。結局爆発的なプレイやダンクがファンにとって最高の商品となるわけだ。しかし見方を変えればプレイヤーにとってはこういったダンクには慎重にならざるを得ない。なぜなら些細なミスが取り返しのつかない怪我を生むかもしれないからだ

NBAはこれらの問題が既にNBAにおいても広範囲で影響を及ぼしていることを認識している。八村がバスケットボールを始めた2012年当時、NBAではヒートが優勝した。彼らはVERTというガジェットを実際に装備していた。これは選手がジャンプした回数を計測するウェアラブルガジェットだ。ベテランになるほどコーチたちは出来るだけダンクを抑えて欲しかった

勿論八村が遠征が少ないおかげでここまでこれたかは検討する必要がある。実際今シーズンは23試合欠場している。偶然の事故で腰の付近を負傷した。いいニュースとしては彼は身体疲労が原因で試合を休んだわけではないことだ

「リボルバーに込められる弾丸には限りがある」エリオットは言う

「ユースの時点で膝の軟骨を30%使ったとしたらそこからのキャリアは残りの70%で何とかするしかない」

金曜日(ライジングスターズチャレンジの試合日)にはザイオン、モラント、ブランドン・クラーク(八村の大学時代の仲間)のダンクで海上が沸きに沸いた。しかし試合中のダンク大会に1人だけ参加しなかった

八村はコートに立っていたが、シルクドゥソレイユばりのプレイはせず淡々とコートを往復していた。まるで見物客のように非常に楽しそうでもあった。日本で野球をしていた時も彼はそうだったのかもしれない

まとめ

いかがだったでしょうか?まさかアメリカでもこういった問題が起きているんですね

ただ少し思ったのがアメリカの場合試合のやり過ぎで疲れ果ててるけど、日本の場合練習のしすぎて疲れ果てているからプラマイ0じゃないか(笑)?

しかしこういったリアルな話を聞くとカワイ・レナードやっているようなロードマネジメントも致し方ないのかもしれません・・・・・・

何はともあれ楽しくやるのがスポーツですからね。特に子どもは!少しでもスポーツ指導や練習環境が向上することを望みます!

それではみなさん、また~